3年間お世話になったJICAについて書きます
JICAという名前をまじかに聞いたのは、中小機構の専門家をしている時でした。
中小機構の資本金は約1兆円。すごいなあと思いました。
その後、JICAと中小機構が一緒に仕事をする機会があり、JICAの資本金を調べてみました。
すると7兆円でした。すごいなあと思いました。
ご一緒にした仕事は、JICAがベトナムにおいて、若手経営者教育を6ヶ月から1年間行い、最後に来日してもらい、日本の中小企業とのビジネスマッチングを行うというものでした。
そのようなことがあり、同僚の商社出身者から、JICAの助成金は、普通の人では、書けない。お作法が多すぎて、経験者でないと無理!という話でした。
その時は、そんなものかなあと思いました。
実際入ってみて、確かにそうだなあと思いました。
調達を長くやっていると、基本契約があれば、あとは、仕様書かメーカー型番があれば、注文書で買えるという感覚です。その労力を1とするとJICAの調達は、100くらいの労力が必要となります。
民間のメーカーの購買担当者目線でお話すると。
1。基本契約書がない。全て個別契約書(含む基本契約書に書かれている項目)
2。注文書はなく全て個別契約書。
3。支払いは、まとめ払い(月末締めの翌月末払い)ではなく、個別の契約書ごとに、請求書をもらい、個別に支払っています。
ここまで、書くと????となっている購買担当者が多いと思いますが、それは、ちょっと置いといて、JICAのビジネスの特徴について述べます。
1。公共調達である。民間ならば、これは、あそこに発注するなど、社内の合意だけで進められますが、それがそのようにはいかないようです。
つまり、事前に「こんなものを買うよ!」と公開して、入札か、個別提案書の提出をしていただくという流れです。
2。基本は、両政府間の合意が前提です。つまり、日本政府の承認が取れていても、相手国からの承諾が守らないと進めることができません。
多くの場合、両政府の思いが最初から一致することは、あまりないようです。つまり、その間の調整が必要になります。
3。全ての国を相手にするのではなく、開発途上地域の国が相手です。一人当たりの国民総所得が、少ない国をが相手です。関連サイトを示します。
https://www.dir.co.jp/report/consulting/research_analysis/20141120_009163.html
https://www.jbic.go.jp/ja/support-menu/developing.html
4。支援をもらう国の対応について
一般論で言えば、支援をもらうのですから、文句を言わず黙ってもらうのかと思いますが、国によっては、一度合意した内容を変更したいと強く申し入れてくる場合があるようです。
結局、その意向に振り回されることがあるようです。
5。国際協力は、日本だけが行っているわけではありません。韓国には、KICAという団体があるようです。
https://www.koica.go.kr/sites/koica_en/index.do
6。世界中で活動を維持するための人事制度
職員(無期雇用)の方が、3年前後で異動することで、世界中での活動が維持されています。
調達部門もその流れで、多くの方が、3年ぐらいで異動します。
そのため、多くの管理職やその補佐役が、ルール通りに業務が行われているか確認したり、支援チームの方々が横串で、契約担当者の仕事の確認や修正依頼をしています。
それらの課題満載の職場ですが、職場の雰囲気は、とても良いです。
失敗しても、みんなの前で怒られたりすることはありません。
また、自分の担当の仕事がこなせなくなった時に、上司に相談すると、ほかの方々が喜んで手伝ってくれます。
そんな職場に3年間お世話になりました。
ありがとうございました。