第4回プロボノ・ファンドレイジングセミナーの当日までの様子
第4回プロボノ・ファンドレイジングセミナーの当日までの様子です。
今回は、認定NPO法人 こまちぷらす 理事長 森祐美子さんに登壇していただき、「“こまちぷらす”の組織運営とファンドレイジング なんでそうなの??」というテーマでお話いただきました。
1. 森さんに登壇をお願いするまでの流れです。
①2019年4月かわさき市民公益活動助成金の発表に参加した時に審査委員をされている森さんと名刺交換をさせていただきました
②2020年こまちぷらすの賛助会員(マンスリーサポーター)となる。その後、賛助会員のイベントに参加したり、「世界のお菓子」を買ったりしていました。
③2023年2月、7月の「プロボノ・ファンドレイジングセミナー」への登壇を依頼して、快諾をいただきました。
その時に森さんにお願いしたのは、「何をやっているか」だけでなく、「その何かをするという決断をする裏で、何を考えて、その決断に至ったか」をお話してほしいとお願いしました。
これは、日頃、森さんのお話を聞くたびに私自身がいつも感じていた疑問でした。
2。当日、森さんのお話を伺って、ノートに書き留めたキーワードです。
①「みなさんからいただく寄付は、団体が、チャレンジしていくための後押しになります。」
→事業収入や助成金は、紐付きで自由度が少ないです。その意味は、寄付は、自由度があるので、
それを原資に、チャレンジをしていけるという感じです。
②「協賛とは、企業と一緒に作っていくこと。企業にとって、社会との関わりである。」
→NPO法人から、企業に事業の説明をしてお金をいただくだけではなく、その活動の理念を理解していただくために、
十分の時間をかけて、お金をもらうだけでなく、その企業が自発的に、その事業を発展させていくまで、企業を引っ張っていく。
③「1000円以上のランチを提供するためには、覚悟が必要」
→みんなが希望する価格でランチ価格を設定するとお安い値段になり、人件費が出せない。人件費を出せる価格設定にすることで、事業の継続性が見えてくる。
④「固定費は、大きなプレッシャーとなる。人件費を払う事業にするときには、なぜそう思うか?を深く考える。固定費の支払は、一度始めたら、止められない。」
→こまちぷらすが、助成金のみで運営する団体を目指していない。収入の50%を事業収入から作っていく体制を目指している。
これは、助成金のみで運営している団体を批判しているのでなない。それは、それでとても大切です。
しかし、全ての団体が助成金のみで運営していたら、財政破綻してしまうことも明らか。その意味で自主財源で継続可能な団体をたくさん作っていくことが大切です。
⑤「組織が、小さいときは、人力でマネージメントすることが可能です。しかし、ある大きさになると人力によるマネージメントの限界がくる。
すると信頼関係が崩れてきて、組織崩壊がやってくる。怒りのぶつかり合いが始まる。これを解決するために、コーディネーターの育成を外部のNPO法人の助けで行った。
その後、スタッフの育成(スキルの育成)を行った。コーディネーターは、頑張りすぎて、破綻した。
ボランティの話を聞くようにした。そして、その言語化をお互いで行った。
こまちには、「もくもくの会」があり、ひたすら、作業に集中する。作業は、結果が見えるので、達成感が得られる。これは、「小さな成功」です。
ー>みんなのさいわいでは、「放牧方式」という自分が関わりあいたいと思う部分だけに関わっていただくということを原則とするマネージメントをしています。
森さんのお話をみんなのさいわいでも活用できないかなあと思いましたが、具体的なアイデアはまだ出ていません。
⑥「団体の活動理念の共有やスタッフとの意見交換のために、毎月1回、お店を閉めて、時間をとっている。
手を止めて、自分と団体のことのみを考える。」
ー>このような地道なことを継続するエネルギーが素晴らしいなあと思いました。
⑦「応援メッセージを大切にしている。これは、応援しあえる仲間がいる。力が湧いてくる。」
ー>まさに、言語化の力だなあと思いました。
⑧「事業設計は、手を動かしながら。柔軟に。」
ー>事業は、やってみないとわからないことが多い。そのために、現実にあわせて、どんどん変えていくのは、OK。
⑨「お金は、後からついてくる」
→大学時代に、地方のある町に惚れ込み、その町を盛り上げるために、東京から若者を数十人連れて行き、
盛り上げイベントを行い、大成功した。そのときに会ったおとなの方々から学んだ。
⑩ 「ウェルカムベビープロジェクト。協賛をいただく企業さんの選定をしている。「失礼だ〜」と言われる。本当に必要なものを真剣に一緒に考えていただく。企業さんも「自分ごと」になってもらう」
ー>すごいなあ〜
11. 「おむつの自動販売機。あるパパが「あったらいいなあ」という思いで始まる。
キリンさんが、全国で92ヶ所。こちらは、「うちに置いてほしい」との依頼がくる。
それをみて、ダイドウさんやコカコーラさんも始めた、こちらは、合計200箇所。」
ー>良いことがどんどん広がっていく。その原動力の1つが、こまちぷらすさん。素晴らしいなあと思いました。
12. こまちぷらすさんには、大切にしていることをまとめた「クレド」があります。その中の「人を六面で見る」という言葉を森さんは、お好きとのこと。
ー>人を印象だけで判断しない。ラベルを貼らない。。。いいなあと思いました。
13. 「My Board Memberを作る。多様な意見を聞ける環境を自分の周りに作れる。」
ー>みんなのさいわいの「ご意見番会議」は、にているかなあと思いました。お一人お一人は、はっきりものいう方々です。三人合わさるとそれなりに大きなパワーがあるなあと最近思っています。
14. 「チャンスは、ピンチの顔をして、やってくる。」
ー>これ、刺さりました〜 みんなのさいわいは、3団体(5プロジェクト)の支援を5月まで行っていました。
6月から追加で3団体から申し込みが。。。1団体ならできるが、どうしたものかと少し悩んでいました。
ご意見番会議の本田さんから「お客さまの依頼は断っては、いけない。特に他のお客様からの紹介された場合は。。」と言われて、3団体ともお受けする決心がつきました。
6団体(8プロジェクト)で行うと決めると、どうやってそれを実現するか?に頭の中が回り出しました。
(脳科学に詳しい松本浩さんがおっしゃる通りです)
15. 「面白がってやる。」
ー>楽しそうなところに人は集まる。しかめ面では、人は集まらない。
3。三宅の感想
① 最初に森さんが、「今日、参加されている方のリストをみましたが、全く共通点がありません。
私がやってきたことをみなさんが真似をしてもうまくいかないことが多いと思いました。
そこで、自分が悩んだこと、失敗したこと、考えたことをお話します。それぞれの団体が自分たちで深く考えて、
自分たちの最適解を導く出すしかないと思っています。」とお話されました。
ー>自分たちの最適解。。いい言葉だなあと思いました。
②森さんは、ロジカルで、自分たちの活動を言語化して、伝えることに時間と魂を使われているなあと思いました。
当初は、森さんは、コミュニケーション能力が元々高い方かなあと思っていました。
今は、元々は、コミュニケーション能力が特段高かった訳ではないが自己研鑽と研究で、体得されたのかなあと思うようになりました。
人の気持ちや痛みに、寄り添っている時の森さんをみていると、素晴らしいなあと思います。